教育資金に、ドル建て終身保険はありなのか?
目次
ドル建て終身保険は「教育資金」としてどうなの?メリット・デメリットを解説
「子どもが生まれて教育費の貯め方を考えているけど、いろいろな意見がある。」
「ドル建て終身保険を紹介されたけど、実際どうなの?」
と悩んでいませんか?
ドル建て終身保険は加入をおススメする方とおススメできない方がいます。
なぜなら、人によって貯め方の方法が違うからです。
タイプ①とにかくたくさん貯めたい方
タイプ②安全に貯めたい方
タイプ➂リスクとリターンを考えて貯めたい方
様々なタイプがあると思います。
今回の記事では、ドル建て終身保険を検討している方へ向けた記事です。
この記事を読むとドル建て終身保険のメリット・デメリットを知り、加入するかの判断材料になります。
‘’この記事を書いているそんな私は、陶器をこよなく愛する33歳です。過去、金融機関で7年間、定期預金・保険や投資信託を販売していた経験があります。(資格:ファイナンシャルプランナー2級・簿記2級)
加入までの考え方が参考になればと思います。‘’
【結論】私は10年払い済みのドル建て終身保険で検討しましたが、加入を見送りました。
教育資金として考えたときに「為替リスク」を考えたからです。
必要な時に円高だった場合に解約ができない、もしくは損する可能性があるからです。
しかし、老後も見越して「着実に増やしたい」を重視する方にはおススメな商品です。
詳しく紹介していきます^^
ドル建て終身保険とは?
そもそもドル建て終身保険とは何でしょうか?
解約返戻金を教育費に充てられますし、教育費に使わなければそのまま少しずつ増えていきます。
教育資金なら「10年払い済」がおすすめ
教育費が大きくかかる前の10年で積み立てる終身保険です。
ざっくり上げてもこれだけの貯め方があります。
この中で今回、学資保険について詳しく紹介していきたいと思います。
ドル建て終身保険のメリット
学資保険の加入率は45%以上と今でも人気商品です。
その理由を説明していきます。
メリット
その1:必要なタイミングで用意できる
その2:貯める目的を達成しやすい
その3:節税になる
その4:契約者が亡くなっても進学金が受け取れる
その1:確実に増えていく
教育費は必要になる時期が決まってきます。
だからこそ、確実性のある商品に入れたいと思います。ある投資信託やドル建て終身保険よりも、確実性の高い学資保険が選ばれやすく、人気の理由です。
その2:貯める目的を達成しやすい
今回10年払い済みを選択した理由は、
通帳や投資信託で貯めると溜まっていくのが分かるため、途中で誘惑に負け、使ってしま事があるかもしれません。
その点、学資保険は定期的に引き落とされ、いくら溜まっているかわからないため、そういった誘惑から逃れられます。
また中途解約するからこそ、解約できない!という抑止力にもなりますね。
その3:節税になる
一般生命保険控除の税優遇が活用できます。
<例えば>
【月3万円(年間36万)の保険料/所得税率20%の場合】
所得税控除=控除額上限40,000円×20%=8,000円
住民税控除=控除額上限28,000円×10%=2,800円
合計10,800円が返ってきます。
「戻ってくるの、少ないな・・・」
と思う方もいらっしゃると思いますが、
学資保険は長期間なので、10年108,000円と長い目で見ると大金になります。
所得税の控除額
年間の支払保険料 等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の金額 |
20,000円超 40,000円以下 |
支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 |
支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
住民税の控除額
年間の支払保険料 等 | 控除額 |
---|---|
12,000円以下 | 支払保険料等の金額 |
12,000円超 32,000円以下 |
支払保険料等×1/2+6,000円 |
32,000円超 56,000円以下 |
支払保険料等×1/4+14,000円 |
56,000円超 | 一律28,000円 |
その4:契約者が亡くなっても死亡保険金が受け取れる
万が一、契約者が亡くなっても、死亡保険金が受け取れる点です。
本来の機能が発揮したという点ですね。
その5:老後資金とするならリスク分散になる
円だけを持つのは、円高・円安などの為替リスクを伴います。
しかし、世界の基軸通貨のドルを所有できるのは、為替リスクの観点からプラスと言えます。
以上がドル建て終身保険のメリットになります。
次にデメリットを紹介していきます。
ドル建て終身保険のデメリット
また一方、例年に比べ、学資保険の加入率が下がっているのも事実です。
家計に余裕がない家庭が増えたことや、下の理由で入らない方も増えてきています。
デメリット
その1:保険会社の破綻
その2:中途解約時の元本割れリスク
その3:インフレリスクに対応できない
その1:保険会社の破綻
保険の多くは10年、15年長期渡り続くため、経済や情勢が大きく変わり、経営状態が良かった保険会社でも倒産するリスクがあります。実際、経営破綻した保険会社が過去にはありました。
現在、「生命保険契約者保護機構」によって、破綻時点の補償対象契約の責任準備金等の90%まで補償されますが、10%は資産が減少してしまう可能性があります。
その2:中途解約時の元本割れリスク
解約しにくい状況を作る点はメリットにも上げましたが、中途解約する際に、元本割れを引き起こします。
どうしても必要な時に中途解約という手を使った場合、ほとんどの確率で損をしてしまいます。
せっかく十年以上もかけたにもかかわらず、「結局元本割れした」「増えてない」など、勿体無いです。
その3:教育インフレリスクに対応しきれない
年々教育費用は増加しており、大学入学時点での運用利回りが教育費の上昇率に対応しきれません。
①物価の上昇
過去10年間で、物価は平均0.5%増加しております。
②私立大学授業料の上昇
2000年から毎年平均1.6%増加しております。
一方、例えば10年払い済のドル建て終身保険の返戻率110%(子が18歳時点)ほどになり、利回り「年1.1%」になります。
預金や学資保険と比較し、確実に増えていくのは魅力的でした。
その4:解約のときの為替リスク
老後資金ではメリットになりうるリスク分散ですが、使うタイミングが決まっている教育資金では、元本割れやそこまで増えないという可能性のあります。
平均110円で10年購入:40,000ドル=440万円払い込み
解約時90円=返戻金360万円
解約時130円=返戻金520万円
払い込みの金額によりますが、変動の幅が100万円以上あり、解約タイミングに円高になっていた場合を考えると大きなリスクだと考えます。
ドル建て終身保険がオススメの方
以上を踏まえた上で、ドル建て終身保険がおススメな方を紹介します。
’’終身保険以外に教育費は別の貯蓄で対応できる方’’
・貯金が苦手な人
・教育費の準備と保障を両立させたい人
・リスクより「安心安全」
・運用より確実にお金を貯めたい方
・自分では貯められない方
保険と貯金を確実に行いたい方はおススメの商品になります。
ドル建て終身保険が不要な方
’’リスクとリターンを考える方’’
’’大学進学を考えていない方’’
- ・教育資金を準備できている人
- ・自分で資産運用ができる人
- ・大学進学を考えていない方
運用をメインで考える方・そもそも大学進学を考えてない方は、そのまま貯蓄か投資信託が良いと思います。
【参考】また私が結局何を加入したのかをまとめた記事です。
学資保険・ドル建て終身保険・投資信託で、迷いに迷いました^^;
まとめ
とはいえ、教育資金を貯め始めるのは、早いに越したことはありません。
迷って加入が遅くなったり、貯め始めが遅くなることが後々後悔する元になります。
もし学資保険に加入するのであれば、運用期間を考えるとより早い方が返戻率のメリットは大きくなります。
商品によっては、生まれる140日前から加入できる商品もあるようです。
ぜひ自身に合った貯め方を決めて頂ければと思います。
今回の記事が参考になれば幸いです。
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