子どもの読書習慣、いつまでに身に付けるのが理想?
目次
子どもの読書いつまでに習慣づけるのか?
「子どもに読書習慣はいつ頃までに身に付けた方がいいの?」「必要になった社会人でよくない?」など疑問に思っていませんか?
実は、子どもの読書は「小学生前がベスト」です。
なぜなら、
・成長速度が上がる
・勉強の理解度が上がる
・幼少期から「なぜ?」を考え、答えを探すクセが身につく
・大きくなってからも本が好きな確率が上がる
ことなどがあげられます。
この記事を読むと、読書の重要性を感じてもらえたらと思います^^
読書の効果
読書をすることが多い子どもはコミュニケーションスキルや礼儀・マナースキルが高い傾向にあります。
引用文献では、読書が学力や読解力に影響を及ぼすことは明らかであり,本を通じて考え、感じることで子どもの発達・成長に繋がるとあります。
本は子どもの生活空間を大幅に広げ,日常生活の中で出会えない違う時代と場所の人や体験に触れることができ,この体験は疑似体験であっても,実体験同様に子どもの社会性や感情的発達に寄与することが明らかにされている
その他には、
・知的好奇心を高める
・想像力・発想力の向上
・理解力の向上
・知識量が増える
・物事を客観的に捉えられる
などなど、メリットは盛りだくさんです。
「読書の習慣化」は子どもの成長や将来に大きく影響します。
世代別で見た読書の影響力
実際に子どもの読書に関する研究は数多くあり、読書習慣が学校生活スキルの違い、成人後のスキルの違いなど様々な報告があります。
大学以降も本が好きな傾向にある
大学生を対象にした調査では、小学校前に本が好きだった90%近くが今も本が好きであり、幼少期の影響が大きいといえます。
子ども時代(~小学生)に「本を読むのが好き」であったと答えたのは「好き」,「やや好き」を合わせると 344 人(68.3%)であった。「現在本が好き」な方は 443 人(87.9%)であった。(子ども時代の読書-質問紙調査およびフォーカス・グループ・インタビューからの分析)
【成人】読書活動の多い成人は「意識・能力」が高い
対象者5,000人以上の国立青少年教育振興機構の報告では、成人後の読書習慣による能力の違いを示しています。
子どもの頃に読書活動が多い成人ほど、「未来志向」、「社会性」、「自己肯定」、「意欲・関心」、「文化的作法・教養」、「市民性」のすべてにおいて、現在の意識・能力が高い。
【中高生】読書活動の多い中高生は「思いやり・規範意識」が高い
子どもの頃(就学前から中学時代)の読書活動が多い中学生や高校生ほど,現在の『意識・能力』が高いことがわかりました。
例えば,小学校に入学する前や低学年期に読書活動が多かった中学生や高校生は,人を思いやる気持ちや社会のルールを守る意識などの能力が高い傾向があります。
【小学生】読書活動の多い小学生は「学校スキル」が高い
下のグラフは、「小学生の読書活動」と「学校生活スキル」との関係について研究データです。小学生の中でも、読書高・聞高の群が「進路決定スキル」「集団活動スキル」「自己学習スキル」「課題遂行スキル」「コミュニケーションスキルにおいて、優位に高い報告があります。
(引用文献:小学生の読書活動と学校生活スキルとの関連,2020)
このように子どもにとっての小学校前までの読書は、自己決定能力向上し、将来を見据えた行動かつ自己学習スキルが高いことが示されています。幼少期からの習慣により成人になって様々なスキル差がでるかもしれません。
総じて、学生・社会人の中でも子どもの頃(就学前~中学時代)の読書により「意識・能力」が高くなりやすい傾向にあります。
高校前に読書習慣を身に付ける
冒頭で「小学校前がベスト」とお伝えしましたが、小学校・中学校からでも遅くありません。
ただ可能であれば高校前に習慣を身に付けるのがよいです。
理由としては、高校生になると勉学に加え、交友関係・遊び歩幅が広がり多様になります。また部活などが本格化し時間が取れなくなるからです。
実際に高校生が本を読まない割合は、小中学生が4~15%程度に比べて60%近くにのぼり、高校生になると本を読むことが難しいことが分かります。
「子供の読書活動調査」では、高校生の本を読まない理由の第1位が「他の活動で時間がなかったから」の64.5%、次いで2位が「他にしたいことがあったから」の47.3%、3位が「ふだんから本を読まないから」が32.8%と高い割合を示しています。
ここで注意していただきたいのが第3位の「ふだんから本を読まない」高校生です。
1位と2位では、中学校までの読書量が多い学生が多く、大学・社会人で必要になれば読書習慣が戻りやすいでしょう。しかし3位の「ふだんから本を読まない」高校生の80%以上が「本が好きではない」と回答しています。つまり、中学までに読まなかった場合、当然のように高校になっても本を読まない傾向にあります。
だからこそ、高校までに読書習慣を取得することが重要になってきます。
成人後に苦労しないために、子どもの内に読書習慣を身に付けるように心がけましょう。
読書能力の発達段階
読書能力の一般的な発達傾向を、5つの段階に分けられると提唱されています。
・0歳 前読書期
・4歳 読書入門期
・6歳 初歩読書期
・9歳 多読期
・13歳 成熟読書期
あくまでも傾向ですので、このように進める必要はないです。子どもの読書レベルの参考目標として活用される程度でいいかと思います。
(出典:子供の読書活動に関する現状と論点-文部科学省生涯学習政策局青少年教育課)
大学以降は読書習慣が身につかないのか?
大学以降も読書習慣は身につきます。成人後に読書の必要性を感じ、読み始める人も多くいます。
しかし、非常に苦労します。実際に私も大学生で読書の習慣を身にけることができました。大学生まで全く習慣がなかったので読書に取り組むのが本当に嫌で、図書館やカフェなどで環境を変え、電子書籍で隙間時間を活用しながら無理やり取り組みました。それでも無意識でスマホに触ったり、他毎を考えていたりと集中が続きませんでした。
小学校や中学校で早めに習慣になっていたり、昔から本に触れていればここまでの抵抗感が少なく、何よりも小さい頃からの読書で身についた理解力・判断力・語彙力で勉強に臨めば成長速度の大きく影響していたことでしょう。
まとめ:早めに越したことはない
早い段階で読書習慣を身に付けると理解力・知的欲求が高く、習慣のない人に比べ成長速度が変わります。また一度習慣が身につけば高校生で読まなくなっても、必要になったらまた読み始めるでしょう。そういう意味では子ども時代の読書習慣はとても大きな財産といえます。
一方、理想は理想であり、子どもに強要するものでもないとも考えています。親として、本に興味を持つ環境を整えてあげ、子どもの自主性に任せることも大切でしょう。「たくさんの本がある」「すぐ本が読める環境」「読み聞かせる」「本を一緒に読む」「一緒に調べる」など環境つくりやできることはたくさんあり、「読書は大切」だとなんとなく理解してもらうだけでも良いと思います。
参考になれば幸いです。
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